1年で10人辞める会社
1年で10人もの社員が辞める状況は、企業にとって非常に深刻な問題です。
離職率という指標で換算すると、
約12.5%となり、2023年3月 新規学卒者の離職率（約5.5%）
と比較しても2倍以上高い数値となります。
- 5%未満: 比較的低い水準。しかし、優秀な人材の流出に繋がる可能性も
- 5～10%: 業界平均水準に近い。注意は必要だが、直ちに経営危機とは言い切れない
- 10～15%: 警戒レベル。早急な対策が必要
- 15%以上: 危機的状況。抜本的な改革が必要
- 人材不足: 現場の戦力低下、業務効率の悪化、顧客満足度の低下などを招く
- 採用・育成コストの増加: 新規採用や教育訓練に多くの費用がかかる
- 企業イメージの悪化: 離職率の高さが外部に知れ渡ると、優秀な人材の獲得が困難になり、企業競争力が低下する
- 社員の士気低下: 残留している社員の不安や不満を招き、さらなる離職を促進する
このような状況を改善するためには、まず離職の原因を特定することが重要です。
- 長時間労働: 過度な残業や休日出勤などが、心身の健康を害し、ワークライフバランスの悪化を招いている
- 低賃金: 他の企業と比べて給与水準が低く、モチベーション低下や転職への意欲を促進している
- やりがい・成長実感の欠如: 仕事内容にやりがいを感じられなかったり、キャリアアップの道筋が見えなかったりすると、モチベーションが低下し、転職を考えるようになる
- 人間関係の問題: 上司や同僚との人間関係が悪く、職場環境がストレスフルになっている
- コミュニケーション不足: 会社の方針や制度が社員に十分に伝わっていない、上司とのコミュニケーションがうまく取れないなどの問題がある
- 労務管理の不備: 休暇取得の制限や、ハラスメント対策の不十分さなどが、社員の不満につながっている
原因を特定したら、それに応じた対策を講じることが重要です。
- 長時間労働の削減: 残業時間の上限規制、フレックスタイム制の導入、育児休暇・介護休暇制度の拡充など
- 賃金の引き上げ: 業種や職種に応じた適正賃金の調査・分析を行い、競争力のある賃金体系を構築する
- キャリアパス制度の整備: 定期的な面談や研修制度を通じて、社員のキャリアビジョンを明確にし、目標達成に向けたサポートを行う
- 職場環境の改善: ハラスメント防止研修の実施、コミュニケーション活性化のためのイベント開催、相談窓口の設置など
- 労務管理体制の強化: 法令遵守の徹底、休暇取得の促進、メンタルヘルス対策の充実など
離職率の改善は、一朝一夕には成し遂げられるものではありません。 中長期的な視点で取り組み、継続的に改善していくことが重要です。また、社員一人ひとりの声をしっかりと聞き、風通しの良い職場環境を作っていくことも大切です。