梅毒は、近年全国的に患者数が増加しており、
2022年には過去最多となる1万人を超えました。
流行の理由として考えられる主な要因
1. 性行動の変化
- マッチングアプリなどの普及により、
- 不特定多数の人と性交渉を持つ機会が増えている。
- コロナ禍によるストレスや閉塞感から、リスクを承知で性行為に及ぶ人が増えている。
- 性教育不足により、性感染症に対する知識や予防意識が低い。
2. 検査や治療を受ける人が少ない
- 梅毒は初期段階では無症状の場合が多く、感染に気づいていない人が多い。
- 検査を受けることへの抵抗感や恥ずかしさがある。
- 医療機関へのアクセスが困難な場合がある。
3. 夜のお店における感染
- 夜のお店やキャバクラなど利用者間での感染が、流行の一因となっている。
地域による流行状況
梅毒の流行状況は地域によって差があります。
- 東京都
- 大阪府
- 愛知県
- 福岡県
- 埼玉県
これらの地域は、人口が多く、性交渉の機会が多いことが要因と考えられます。
また、近年は地方都市でも患者数が増加傾向にあります。
梅毒の予防
- 不特定多数の人との性交渉を避ける。
- 定期的に検査を受ける。
- 性感染症に関する知識を身につける。
梅毒の症状
梅毒は、感染部位や感染時期によって、さまざまな症状が現れます。
第1期梅毒(感染後9~90日)
- 硬性下疳(こうせいげかん):感染部位(主に性器、肛門、口唇など)に、
- 硬いしこりや潰瘍ができる。痛みや痒みはほとんどない。
- 全身リンパ節の腫れ
- 微熱
- 倦怠感
- 頭痛
第2期梅毒(感染後3~6か月)
- 梅毒性バラ疹:手のひらや足の裏など全身に、ピンク色の発疹が現れる。
- 扁平コンジローマ:性器や肛門周辺に、平らなイボができる。
- 梅毒性粘膜疹:口腔内や咽頭などに、白い斑点や潰瘍ができる。
- 脱毛
- 発熱
- 倦怠感
- 頭痛
- リンパ節の腫れ
- 関節痛
- 肝臓の腫れ
潜伏梅毒(第2期梅毒の症状が消えた後)
- 無症状
- 血液検査で梅毒抗体が陽性になる
後期梅毒(感染後数年~数十年)
- 心臓や血管、神経などの障害
- ゴム腫:皮膚や内臓に、腫瘍ができる。
- 目や耳の障害
- 脳神経障害
- 麻痺
- 歩行障害
- 認知機能障害
梅毒は、早期に治療すれば完治する可能性が高い病気です。
もし、梅毒に感染した疑いがある場合は、
早めに医療機関を受診することが重要です。